輪郭線バイアス

認知-認識[状況理解・把握]

輪郭線が鋭角で尖った印象のものより、
曲線や丸みを帯びたものの方が好まれる。

人は心理的に、輪郭線が鋭角で尖った印象のものより、曲線や丸みを帯びたものの方を好む傾向がある。

鋭角な部分や尖った部分に対して、恐怖の感情を司る「扁桃体」と呼ばれる脳の一部が活性化することで、危険な動植物や状況の存在を反射的に察知する。
人類が100万年以上の長い進化の過程で受け継いできた「脅威検出」のひとつの感覚だ。
これは逆説的にいうと、注目や関心を集めたい場面には、鋭角や角張った印象の表現を採用することで「扁桃体」が活性化するため、情報処理がより深くなり、より強く意識させることができる。

ちなみに、丸みを帯びた印象の表現は、「扁桃体」が活性化しないので、潜在的に人々に好まれる印象を与え、感情的には穏やかに受けとられる。このとき、子どもっぽい印象が強くなる傾向もある。

具体例

  • より確実に認知が必要な「危険を知らせる道路標識」には、丸形ではなく三角形の形状が採用されている

  • 親しみが重要な幼稚園や保育園の装飾には、丸などが多く採用される

  • 企業サイトで重要な訴求要素には、敢えて四角など鋭角の枠が採用される

提唱者・発祥エピソード

2006年、神経科学者モッシュ・バー氏と心理学者メイタル・ニータ氏の研究レポート「Humans Prefer Curved Visual Objects」によって、科学的に特定・実証された。

参考文献・参考サイト

Contour bias in retail design
https://quininedesign.com/perspectives/contour-bias

Quinine

輪郭線バイアス
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/contour-bias/

UX TIMES

輪郭線バイアスhttps://www.amazon.co.jp/gp/product/B08NF6488Y/ref=ppx_yo_dt_b_d_asin_title_o00?ie=UTF8&psc=1

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香西 睦

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香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

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