カッコいいだけなのはデザインとは言わない。

UIデザインの基礎知識

いつの時代においても、どんな業態においても、デザインはいつも花形である。そして、美しいもの、カッコイイものというように、調和がとれた心動かされる形状美を「優れたデザイン」と評することが多いですよね。
そんな見た目と比較して、美しい機能美というものは、声高に評価されることは少なく、空気のような存在であるためにその秀逸さに気づかれないということも多いと言えます。
まさに「デザインの本質」はそんなところに存在しているのではないでしょうか?

今回は、ひと言で片付けられがちな「デザイン」ということばの「意味と範囲」についてご紹介します。

機能が複雑になるにつれ、職業として分業化が進むデザイン

WEBがこれだけ高機能になる前の西暦2000年代の現場は、おおざっくり言うと、

・WEBデザイナー
・Flashオーサー(フラッシャーっていう言い方が主でしたが・・・)
・コーダー
・プログラマー

というくくりでわかるように、デザインを担当するのはWEBデザイナーという肩書きの人だけでした。
当時は、
・グラフィックならグラフィックデザイナー
・インテリアならインテリアデザイナー
・服飾ならファッションデザイナー
という具合に、ひとつの業種にひとつのデザイナーだったわけですが、日進月歩ならぬ秒進分歩な進歩を遂げるWEB業界において、人手不足と過労が日常化する業界でもありましたね。

そして、専門性が一層高まっていく中で、いつしかデザイン自体が細分化され、特にインタフェースの分野では主に3つの職種が存在するようになります。
・WEBデザイナー
・UIデザイナー
・UXデザイナー

比較的広範囲に、何でもこなすWEBデザイナーに対して、快適な操作性を実現することに特化したUIデザイナーと、価値創造のための調査から設計までを上から下までを範囲とするUXデザイナーが専門性を発揮するカタチです。
一方、デザイナーではありませんが、似たような業務範囲に、情報整理の役割を広範囲に担うIA(インフォメーションアーキテクト)や、問題解決を主とした役割を担うユーザビリティコンサルタントがあり、明確にそれぞれの仕事を分断することは難しく、オーバーラップしているところもたくさんあります。

デザインとはあらゆる問題を解決すること!
カッコいいだけではデザインじゃない。

職業としてデザインの分野を見てみると、タイトルでご紹介した一般の人たちがイメージする「表面的なデザイン」の範疇よりも、はるかに広い範囲にわたってデザイナーが活躍していることがわかります。
元来、英語の「design」は、「計画」や「企画」という意味を持つように非常に多様な側面を持っているわけですから、当然といえば当然ですね。

要するに、日本における社会的風潮の「デザイン」と、本当の意味でのデザインには大きな隔たりがあり、それは私たちデザインの現場を取りまく回りの人々の思い込みや妄想が創り出している虚像とも言えるでしょう。

デザインは、その製品やWEBサイトが必要とする機能性、実現性という命をいかにそこへ吹き込み表現するかですが、そのためには、その製品やWEBサイトを利用するユーザー像や利用環境、それらが存在する社会の中での情勢や課題といった、その機能や利用目的を実現するために関わるあらゆるモノコトを踏まえたすべてがデザインなのです。

私たちが仕事として必要と考えるデザインの範囲は、戦略や理念に基づく客観的なモノコトの最適化

デザインは表層的なことではないと言いながらも、世の中の一般の人は、表層的に見えるデザインに、主観的な印象を持つことで体験価値を評価します。
だから、それがすべてのような錯覚に陥ってしまうのかも知れませんが、その表層的なUXな世界は、大海原にポツンと浮かぶ氷山の一角のように、水の中の表からは見えないところに、もっと巨大なデザインを形作るものが沈んでいると言って良いでしょう。

秀逸なデザインには、用意周到な設計があり、その設計は、ターゲットとする利用ユーザーを調査・分析した結果に基づく、機能性の戦略立案があってのこと。
 そして、その戦略は、事業ビジョンや企業の理念などから生まれてくるもので、目には見えていないがすべてが一貫した方針として、客観的な裏づけによるWEBサイトの全体を最適化することが「デザインそのもの」なのです。

 WEBサイトは、サイトを利用するユーザー有っての存在ではありますが、単なる集客のためのツールではありません。
 WEBサイトは、当然、事業や会社の経営方針に紐付いて実現する事業のひとつなのですから、経営的な判断を見据えることも重要と言って良いでしょう。


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香西 睦

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香西 睦

香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

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