選択的注意(カクテルパーティー効果)

情報認知過程

自分にとって重要な情報だけを選択して、
短期記憶や長期記憶に移す認知機能。

脳は、すべての視覚情報を高精度に処理することが難しいため、重要と思われる情報だけを選択して認知に結びつけている。


視覚や聴覚、嗅覚などが受けとった知覚情報は、一時的に感覚記憶で保持されているが、その中から必要な情報を、短期記憶や長期記憶の貯蔵庫に移す過程で、選択的に必要な情報だけをフィルタリングする。この時、対象から外れSelective Attensionた情報でも、ぼんやりと認知される場合がある。
一時的に保持されている情報は、ボトムアップ型注意とトップダウン型注意の異なる「注意」によって選択される。ちなみに、近年では2001年、ミズーリ大学の心理学教授ネルソン・コーワン氏の研究による「記憶の限界は4±1個程度である」が浸透し、マジカルナンバー4やマジカルナンバー3が一般的となっている。

ボトムアップ型注意(bottom-up attention)
複数の視覚的刺激のなかで、周囲と異なる顕著な刺激や、突然現れた刺激を受動的に選ぶというもの。

トップダウン型注意(top-down attention)
事前に選ぶべき刺激情報を知識として持っていて、能動的にフィルターをかけることで目的の刺激情報を選択する。

具体例

  1. 喧騒な会場で、周りで自分の興味のある話だと耳に入る
  2. 騒がしい中でも、自分の名前が呼ばれると聞き取れる
  3. 雑多で興味がない情報の中で、気になるキーワードを見つけ出せる

提唱者・発祥エピソード

1953年認知心理学者のコリン・E・チェリーが、人間の選択的聴取を研究するための「両耳分離実験」という洗掘的実験によって、「注意」に関する機構を系統的に明らかにし、カクテルパーティー効果を提唱した。その後、他の研究者によるさまざまな追従実験によって検証された。

参考文献・参考サイト

選択的注意とWebマーケティングとの関わり
https://www.seminarmarketing.net/selective-attention/

セミナーマーケティングラボ

【選択的注意とは】事例・心理学的な実験からわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/selective-attention/

リベラルアーツガイド

選択的注意
https://a-m-zyozo.hatenablog.com/entry/2019/05/26/131417

世界一わかりやすい心理学

選択的知覚・注意の意味
https://www.direct-commu.com/terms/selective-attention/

Direct Communication

脳科学視覚性トップダウン型注意とボトムアップ型注意
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/視覚性トップダウン型注意とボトムアップ型注意

脳科学事典

選択的注意
https://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/perception/selective-attention.html

科学事典

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香西 睦

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香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

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