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人はオブジェクトと背景を分離し、
主となるオブジェクトの「形」を知覚する。
人は二つのオブジェクトを持つ領域情報は、同時に知覚することができないため、それぞれを分離して、一方のオブジェクトは「図」として浮き出て見え、もう一方は「背景」として退いて見える。
一度、意味のある情報として「図」を知覚すると、その情報は図として定着し、背景と認識することはない。
図として認識されやすいオブジェクトの形にはいくつかのパターンがある。
●面積が狭い方のオブジェクト
●形として閉じられた方のオブジェクト
●同一の形がならぶ場合は水平・垂直方向のオブジェクト
●平行に等間隔でならぶオブジェクト
●凸部を持つオブジェクト
●上下にならぶ同型は下にあるオブジェクト
●対象性のあるオブジェクト
また、図と地には主従関係があり、
●図には形や輪郭があるが、背景にはない
●図は手前に浮き出て見えるが、背景は退いて見える。
●図と地は反転することがある
ちなみに、デザインにおいて、特定のオブジェクトを「図」として認識されやすいようにデザインすれば、ユーザーの視線を集めることができる。
図と地を意識せずにデザインした場合、「ユーザーの意識を向けたいはずの領域が背景として認識されてしまう等の問題が発生する場合がある。
表現可能なデザインパーツ
具体例
- INAXやFedExのように二つの意味を持たせた企業ロゴ
- 錯視などを活用したエッシャーに代表される隠し絵・だまし絵
- 帯となるデザインの上に配置するボタンデザイン
提唱者・発祥エピソード
1912年、デンマークの心理学者エドガー・J・ルビン氏が考案した「ルビンの壺」という反転図形において、視野に二つのオブジェクトが存在するとき、一方の形が明瞭に浮き上がって知覚された時、他方の形は背景として退いて知覚される。
このように、前者を「図」といい、背景を「地」ということから、反転を示す「図と地」として有名になった。
参考文献・参考サイト
スクールカウンセラー養成所
UX TIMES
コトバンク
反転図形・多義図形(ルビンの壺など)
This is Media
https://it-counselor.net/psychology-terms/reversible-figure
デッサンと言う礎