フォールス・コンセンサス効果

判断過程

周囲の人も自分と同じ意見や考え方を持ち、
それが正常で多数派だと錯覚してしまう。

自分の意見や判断は多数派で正しく、周りの人も同じような考え方や意見を持っており、誰もが同じような判断を下すものと錯覚してしまう現象。
自分の考え方は少数意見ではなく、多数派だと思い込むことは、安心感を感じやすくなる「正常化バイアス」という認知の偏りによって生まれやすい。

学校や職場など、グループ内で議論した結果などに発生しやすく、小グループで合意されたことが、一般的でかつ大きなグループにおいても同じであろうと考えてしまうことで生まれやすい。
こうした現象は、仕事やプライベートに関係なく発生しやすいが、特にビジネスにおいて大きな権限を持っている場合には、思わぬ間違いを引き起こす原因にもなるため、特に指導的立場のある場合は注意が必要。

ちなみに、フォールス・コンセンサスの発生を防ぐためには、反対の意見などの第三者による多角的な意見を取り入れることが大切。

具体例

  • 社員の親睦を深めるために飲み会などの「飲みニケーション」を企画しても、若い社員を中心に意外と集まりが悪い

  • コロナ禍で生まれた「マスク警察」などの自粛警察に観られる、過剰な防衛反応や正義感からくる、道義からはずれた行動への憤り

  • 自分は一般の人よりくわしいと思う情報について、メディアや企業が発信する情報よりも、自分の方が正しい情報を持っていると思う

提唱者・発祥エピソード

周囲が合意してくれていると勝手に思い込む「心理的傾向」は古くから確認されていたが、1970年代スタンフォード大学の社会心理学者リー・ロス氏とその同僚らが、学生を被験者とした「人々の認識」を調査する実験結果から提唱した。
また「False consensus」という名称は、彼らの論文で名付けられた。

参考文献・参考サイト

フォールス・コンセンサス
https://www.p-torch.com/用語/心理学-制作者/フォールス-コンセンサス/

企画の種

フォールス・コンセンサス効果
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/false-consensus-effect/

UX TIMES

「フォールス・コンセンサス効果」の意味や具体例とは?実験や論文、マーケティングの事例も解説
https://web-box.co.jp/false-consensus-effect/

WEB BOX

偽の合意効果(フォールス・コンセンサス効果)
https://makitani.net/shimauma/false-consensus-effect

シマウマ用語集

フォールス・コンセンサス(偽の合意効果)とは?自分が正しいと思う理由
https://mitsucari.com/blog/false_consensus/

mitsucari

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香西 睦

論理的で客観的なデザイン理論と、ユーザーの視点に立った情報デザインは、Webサイトの課題を見極め、わかりやすいインタフェースを実現!

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香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

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