心理的リアクタンス

行動過程

人から強要されたり、意志を制限されると、
反発して逆の行動をとってしまう。

人は自分の行動は、自分で選択して決めたいという欲求を持っている。
そのため、他人から束縛されたり行動を制限されることに、嫌悪感や反抗心が生まれ、自由を回復したいという心理が働く。

特に心理的なリアクタンスは下記のような選択権や決定権が失われる際に生じやすいため、仮にそれによりプラス面があったとしても、無意識に反発したくなる。

●その人にとって重要な行動が制限された時
●その人にとって多くの機会が制限された時
●権威や優位な立場から行動を制限された時

また、他人から指示されると、反発して逆のことをやりたくなる性質があり、言われたこととは反対の意見や態度を取ってしまうことを「心理的ブーメラン効果」という。
会話の中で相手が心理的リアクタンスを感じていると思える場合は、条件を提示したとしても「ご自身で決めて下さい。」と言うように、あくまでも選択権・決定権は自分にあると認識させることがポイント。

ちなみに、提唱者のジャック・ブルームが行った幼児に対する「2番目に好きなおもちゃで遊ぶことを禁止した実験」の反応を観察した結果から、女性よりも男性の方が心理的リアクタンスを生じやすい。

具体例

  • 「現品限り」「期間限定」「本日最終日」などを見て買ってしまう

  • 親から「早く宿題やりなさい!」と言われてやる気がなくなる

  • 「こちらの方がおトクなので変更しましょう!」と営業されて不快になる

  • 「あんな男とは別れなさい」と言われて「でも良いところがある」と別れられない

提唱者・発祥エピソード

1966年、アメリカの心理学者ジャック・ブレーム氏によって、心理的リアクタンス理論(Theory of psychological reactance)の中で「人がもつ自由と、その自由が侵害された時にもたらされる心理的なリアクタンスという特殊な心理過程」として提唱された。
「リアクタンス(Reactance)」とは「反発」という意味。

参考文献・参考サイト

「心理的リアクタンス」とは?意味からカリギュラ効果との関係まで
https://gimon-sukkiri.jp/reactance/

スッキリ

心理的リアクタンス
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/psychological-reactance/

UX TIMES

警戒する相手への説得のしかた~心理的リアクタンス
https://www.kigyou-keiei.jp/column/2021/08/05_149459.html

日本金融人材育成協会

【カリギュラ効果】やるなと言われたらやりたくなっちゃうメカニズム【心理的リアクタンス理論】
https://kyo-mado.net/caligula-effect/

興味の窓

企業内セミナーや社員のUI/UXスキルアップ講座の開催を
ご検討の企業様からのお問い合わせはこちら

香西 睦

香西 睦

論理的で客観的なデザイン理論と、ユーザーの視点に立った情報デザインは、Webサイトの課題を見極め、わかりやすいインタフェースを実現!

同じテーマのおすすめ記事

人気コンテンツ

  1. 1

    短期記憶に関するミラーの法則(マジカルナンバー)

  2. 2

    わざわざ入力を面倒くさくしているドロップダウンリスト

  3. 3

    非注意性盲目(ミスディレクション)

  4. 4

    バーダー・マインホフ現象(頻度錯誤)

  5. 5

    画像優位性効果

最近の記事 おすすめ記事 特集記事
  1. フックモデル

  2. シャルパンティエ効果

  3. [11月4日]福岡DAY2セット|直感的で使いやすいUIデザインが作れる!

  4. [11月3日]福岡DAY1セット|直感的でわかりやすいUIデザインが作れる!

  5. 手続き記憶

  1. 近接の法則

  2. 類同の法則(類似性の法則)

  3. シグニファイア(知覚されたアフォーダンス)

  4. 画像優位性効果

  5. 選択的注意(カクテルパーティー効果)

  1. あらゆる人に直感的でなければいけない、エラー表示と使えないヘルプ

  2. わざわざ入力を面倒くさくしているドロップダウンリスト

  3. ユーザーの「知りたい度」によって変わる、「読み方」と「読む範囲」

  4. カッコいいだけなのはデザインとは言わない。

  5. UIデザインはデザインではなく統計だ!

香西 睦

香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

TOP