記事目次
頭の中の情報を直接思い出す再生記憶、
提示された選択肢から思い出す再認記憶。
記憶は大きく分けて、記銘・保持・想起の3つの過程で構成されている。
「想起」とは、脳に保持されている顕在記憶やエピソード記憶を、適切なタイミングで思い出す(情報を取り出す)際に、保持されている情報を直接思い出すことを「再生記憶」、提示された情報をきっかけに思い出すことを「再認記憶」という。
一般に再生記憶よりも再認記憶のほうが容易であるとされている。
再生記憶には、次の種類がある。
・順番に囚われず自由に思い出すことを自由再生
・手がかりを頼りに思い出すことを手がかり再生
・決められた順番に思い出すことを系列再生
また再認記憶には次の種類がある。
・提示された複数の項目から記憶されている情報を選ぶ強制選択型再認
・提示された一つの情報に対して記憶されているかを判断する諾否判断型再認
表現可能なデザインパーツ
具体例
- テストなどで記述式で直接回答するのは再生記憶、選択肢から正解を選ぶのが再認記憶
- 適切なキーワードを思い出して入力する検索窓は再生記憶、与えられた選択肢を選んで検索する絞り込み検索は再認記憶
- 何かを購入する際、見知らぬブランドの商品よりも、馴染みのある著名ブランド(再認記憶)の商品の方が安心する
2022.12.26
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提唱者・発祥エピソード
1968年アメリカ合衆国の発明家ダグラス・エンゲルバート氏は、再生記憶よりも再認記憶の原理に基づくユーザーインタフェースの基礎となるマウスの概念やGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の基礎を築いた。
参考文献・参考サイト
UIデザインのための心理学:33の法則・原則(実例つき)
knowledge/baigie
https://baigie.me/officialblog/2022/03/29/psychology_for_uidesign/?fbclid=IwAR3AeJ_QZFTVKb9D3Vr8AXKJRPelVRJfwk8T7bxciONPa6uVZCW0F9q-sGg#5
心理学辞典
想起・誤想起(記憶)
脳科学辞典
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/想起・誤想起(記憶)
知識バンク①「再生記憶と再認記憶」
BSAマガジン
https://brainsportsacademy.net/826/
再生記憶より再認記憶
UX TIMES
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/recognition-over-recall/