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大きな要求をいきなり切り出すよりも
小さな要求から段階的に提示する交渉術。
新規のセールスや難易度の高い交渉や要求を成功させる交渉術として、本題の要求を提示する前に、簡単で容易に承諾されそうなことから提示し、段階的に条件を膨らませて要求レベルを上げていく方法。
一般的に人は、意見や態度をコロコロ変えたくないという、「一貫性の原理(一貫性の法則)」という心理学でいう考え方があるため、無意識のうちに一貫した立場を保とうとする。
なので、大きな変化をもたらす要求よりも、小さな変化となる軽微な要求からスタートすることで、本題の要求が聞き入れやすくなる。
この時、スタートの要求と本題の要求がかけ離れていないことも重要で、さらに、相手の琴線に触れる価値観の変化をもたらすような交渉によって、他人から押しつけられる外発的な動機ではない、自発的に興味を持つ「内発的動機づけ」というアンダーマイニング効果によって、受け入れてもらいやすくなる。
ちなみに、フットインザドアという名称は、訪問販売員が「お話だけでも!」と粘る際に、閉めかけたドアを閉じさせないように足を挟む動作になぞらえて付けられた。
表現可能なデザインパーツ
具体例
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友人から2千円貸してくれというのでそのくらいならと貸してあげたら、次に3千円、5千円と、貸すハメに。
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簡単なアンケートと声をかけられ、質問に答えていると、いろいろ悩みを聞かれ、危うく勧誘に引っかかる所だった。
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無料なら会員登録しても良いか!と登録。その後、1週間なら無料だから体験しても良いか!とお試し、使ってみてよかったので1ヶ月使ってみようと商品の購入。
提唱者・発祥エピソード
スタンフォード大学の社会心理学者ジョナサン・フリードマン氏とスコット・フレイザー氏が、1966年に発表した論文 「圧力をかけないコンプライアンス:フットインザドアのテクニック(Compliance without pressure:The foot-in-the-door technique.」で提唱された。
論文の中で示された実験では、戸建住宅の住民に対して「安全運転を呼びかける看板を庭先に立てさせてほしい」と依頼した際、いきなり本題を告げた場合の応諾率は16.7%だったのに対し、別の小さなお願いを承諾してもらった後では47.4%にも上り、4.5倍の差が生まれた。
参考文献・参考サイト
【行動心理学】フットインザドアとは?
U-NOTE
営業や交渉に活用できる心理学のテクニックの具体例と注意点を紹介
https://u-note.me/note/67631
フットインザドア
UX TIMES
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/foot-in-the-door/
【フットインザドアとは】小さな依頼から始め最後に大きな要求を通す心理術
マイナビエージェント
https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2021/11/post-601.html
フット・イン・ザ・ドア・テクニック
グロービス経営大学院 MBA用語集
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11943.html
フットインザドアテクニックとは? 交渉の基本テクを実践してみよう!
STUDY HACKER
https://studyhacker.net/foot-in-the-door
フットインザドアとは? 本命の要求に承諾していただくための交渉術を徹底解説
マケフリ
https://makefri.jp/sales/6999/
フット・イン・ザ・ドア・テクニックの4つのポイントと活用事例。
K’s Strategy
https://k-strategy.net/foot-in-the-door-technique-1/