妥協効果

判断-変容[触発・誘発]

選択肢の中で極端すぎない
中間の選択肢を選びやすくなる

極端に高いクオリティの製品と、極端に低いクオリティの製品がある場合、その中間に位置する製品を妥協的に選びやすい消費傾向がある。

日本の伝統的なランク付けの表現で、「松(高級)」「竹(中級)」「梅(廉価)」の3つの選択肢を例にすると、
・松セット(高級食材を使い、品数も多い豪華な高級コース)
・竹セット(バランスが取れていて、適度に豪華な中級コース)
・梅セット(必要最低限の内容で、お手頃な価格の廉価コース)

人は、極端に贅沢な選択肢を避ける傾向や、バランスのとれたミドルクラスの選択肢がもっとも適切で魅力的と考える傾向から、竹セットが選ばれやすい。
この心理的な効果は、選択肢が極端であるほど、消費者にとっては中間の選択肢に対して「ちょうどよい魅力的な選択」にみえるため、マーケティングや価格設定の戦略として多く利用されている。

具体例

  • サブスクリプションのメニューとして「スタンダード」「プレミアム」のプランに、安価な「エントリー」を追加すると「スタンダード」が選ばれやすい
  • レストランのメニュー体系に超高級なプレミアムメニューを期間限定などで追加する
  • モデル末期の自動車のラインナップに、中間的な位置づけとして特別仕様車を追加する

提唱者・発祥エピソード

1981年に極端な選択肢よりも中間的な選択肢が選ばれやすくなる現象として、アメリカのマーケティング研究者イットマー・シモンソン氏が「理由に基づく選択:魅力効果と妥協効果の事例(The Case of Attraction and Compromise Effects)」としてまとめられた。

参考文献・参考サイト

妥協効果とは? 成功事例で押さえておきたいマーケティングのリアル
https://marketer7.com/compromise-effect/

マーケターブログ

行動経済学(6) 妥協効果と魅力効果
https://blog.goo.ne.jp/imai0410/e/95471d8f39e58a33e1a6d989f85fbb7f

若手総合法務アドバイザーの備忘録

妥協効果と魅力効果
https://ameblo.jp/harukayoko/entry-12291474952.html

晴香葉子 ブログ

寿司屋で「梅」より高価な「竹」を多く売る方法…アンカリング効果
https://biz-journal.jp/2019/02/post_26677_2.html

Business Journal

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香西 睦

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香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

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