現在志向バイアス(現在バイアス)

行動過程

将来や未来のためより、
今すぐの誘惑に負けてしまう。

目前の小さな利益(価値)の方を優先して、将来得られる大きな利益(価値)は先伸ばししてしまう、直近の利益を過大評価してしまう心理傾向。

人は得られる利益(価値)が近いほど嬉しさが高まる。例えば、今すぐ得られるか1週間待つと得られるかを比較した場合、嬉しさに大きな差を感じる。
一方、時が経つほど関数的に嬉しさは小さくなり、1年後と1年1ヶ月後の差では、もはや大差がなくなるため、近い将来は待てないが、「遠い将来」なら待つことができるという、意志力(ガマン)を発揮することができる。
自分があまり気が進まない時ほど「意志力」が多く求められる、日常的な繰り返し作業などでは、意志力は必要とされずに消化できる。

ちなみに、薬物依存やギャンブル依存から脱却しにくいのは、未来よりも直近の方が、得られる利益の優先順位が高いため。
対処法として、自制心やセルフコントロール能力によって、直近の小さな満足をガマンする「満足遅延耐性」を用いた行動療法がおすすめ。

具体例

  • ダイエット中だけど、ついいつい甘いスイーツを食べてしまう

  • 1週間後に現金で購入するより、割高になっても今すぐクレジットカードで購入する

  • 残りあとわずか!と言われて、さして必要でもないものをネットで買ってしまう

提唱者・発祥エピソード

ノーベル経済学賞を2002年に受賞した米国の行動経済学者ダニエル・カーネマン氏が提唱したもので、1994年にハーバード大学の経済学者デイヴィッド・レイブソン教授の論文で名称が定着した。

参考文献・参考サイト

現在バイアス(現在志向バイアス)
https://it-counselor.net/psychology-terms/present-bias

ITカウンセリングLab

現在志向バイアス
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/present-bias/

UX TIMES

現在バイアスとは?行動経済学でわかる先延ばし癖のカラクリと防ぎ方
https://swingroot.com/present-bias/

Web活用術。

現在志向バイアス|経済行動の心理学
https://www.kcsf.co.jp/marketing/present-bias.html

かんでんCSフォーラム

現在志向バイアスとは?目先の利益にとらわれずに正しい判断をしよう
https://mitsucari.com/blog/present_bias/

mitsucari

【アリとキリギリス】現在バイアスとは?双曲割引とは?【ダイエットが続かない理由】
https://asu-yoku-laboratory.com/present-bias-and-hyperbolic-discounting

社会人の教養

企業内セミナーや社員のUI/UXスキルアップ講座の開催を
ご検討の企業様からのお問い合わせはこちら

香西 睦

香西 睦

論理的で客観的なデザイン理論と、ユーザーの視点に立った情報デザインは、Webサイトの課題を見極め、わかりやすいインタフェースを実現!

同じテーマのおすすめ記事

人気コンテンツ

  1. 1

    短期記憶に関するミラーの法則(マジカルナンバー)

  2. 2

    フィッツの法則

  3. 3

    再生記憶と再認記憶

  4. 4

    バーダー・マインホフ現象(頻度錯誤)

  5. 5

    意味記憶

最近の記事 おすすめ記事 特集記事
  1. フックモデル

  2. シャルパンティエ効果

  3. [11月4日]福岡DAY2セット|直感的で使いやすいUIデザインが作れる!

  4. [11月3日]福岡DAY1セット|直感的でわかりやすいUIデザインが作れる!

  5. 手続き記憶

  1. 近接の法則

  2. 類同の法則(類似性の法則)

  3. シグニファイア(知覚されたアフォーダンス)

  4. 画像優位性効果

  5. 選択的注意(カクテルパーティー効果)

  1. あらゆる人に直感的でなければいけない、エラー表示と使えないヘルプ

  2. わざわざ入力を面倒くさくしているドロップダウンリスト

  3. ユーザーの「知りたい度」によって変わる、「読み方」と「読む範囲」

  4. カッコいいだけなのはデザインとは言わない。

  5. UIデザインはデザインではなく統計だ!

香西 睦

香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

TOP