ストループ効果

認知-反応[干渉・混乱]

色情報と意味情報に整合性がない時、
理解するまでに時間を要してしまう現象。

本来視覚として捉えた「色から読み取れる情報」や文字や記号などの「意味から読み取れる情報」は、ひとつひとつ考える事なく反射的に意味を理解している。
しかし、これらを同時に目にする場合、一つの情報がもうひとつの情報を阻害し干渉し合うために、どちらを優先し
て認知すべきか、直感的に理解することが難しくなり時間を要してしまう。

例えば、赤で書かれた「赤」の色名(あか)を答える場合に比べ、青で書かれた「赤」という文字の色名(あお)を答える方が時間を要する。
「あか」が優先的に認知された後に、文字色の「あお」を再認知するため、意味情報に阻害されて反応が遅れるためだ。特に、色情報は、何色か?なぜその色なのかを意味として考える事なく、無意識に理解している。
一方で文字などの意味情報は、ひとつひとつの字ヅラを追いかけるのではなく、塊が示す「意味」を即座に理解している。

ちなみに、赤で書かれた「赤」の文字の意味(あか)を答える場合に比べ、青で書かれた「赤」という文字の意味(あか)を答える方が時間を要する現象を「逆ストループ効果」という。

具体例

  • これは日本だけの表現ではあるものの、性色として青系が男性、赤系が女性という慣習があり、トイレの表示やランドセルなどに採用され、色が異なることに違和感を感じる

  • 電話などの通信アプリなど、通信を開始する際は青、通信を着る時は赤のアイコンを採用、色が異なると戸惑う

提唱者・発祥エピソード

1935年アメリカの心理学者ジョン・R・ストループによって開発された「カラーワードタスク」によって説明されたことで、彼の名前を取ってストループ効果と呼ばれるようになった。

参考文献・参考サイト

ストループ効果とは? 意味と事例をわかりやすく解説【心理学用語】
https://woman.mynavi.jp/article/210624-36/

マイナビウーマン

ストループ効果
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/stroop-effect/

UX TIMES

【ストループ効果とは】事例から心理学的実験までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/stroop-effect/

リベラルアーツガイド

ストループ効果
https://ja.wikipedia.org/wiki/ストループ効果

ウィキペディア

企業内セミナーや社員のUI/UXスキルアップ講座の開催を
ご検討の企業様からのお問い合わせはこちら

香西 睦

香西 睦

論理的で客観的なデザイン理論と、ユーザーの視点に立った情報デザインは、Webサイトの課題を見極め、わかりやすいインタフェースを実現!

同じテーマのおすすめ記事

人気コンテンツ

  1. 1

    短期記憶に関するミラーの法則(マジカルナンバー)

  2. 2

    わざわざ入力を面倒くさくしているドロップダウンリスト

  3. 3

    バーダー・マインホフ現象(頻度錯誤)

  4. 4

    非注意性盲目(ミスディレクション)

  5. 5

    シグニファイア(知覚されたアフォーダンス)

最近の記事 おすすめ記事 特集記事
  1. シャルパンティエ効果

  2. [11月4日]福岡DAY2セット|直感的で使いやすいUIデザインが作れる!

  3. [11月3日]福岡DAY1セット|直感的でわかりやすいUIデザインが作れる!

  4. 手続き記憶

  5. エピソード記憶

  1. 近接の法則

  2. 類同の法則(類似性の法則)

  3. シグニファイア(知覚されたアフォーダンス)

  4. 画像優位性効果

  5. 選択的注意(カクテルパーティー効果)

  1. あらゆる人に直感的でなければいけない、エラー表示と使えないヘルプ

  2. わざわざ入力を面倒くさくしているドロップダウンリスト

  3. ユーザーの「知りたい度」によって変わる、「読み方」と「読む範囲」

  4. カッコいいだけなのはデザインとは言わない。

  5. UIデザインはデザインではなく統計だ!

香西 睦

香西 睦

「だから、そのデザインはダメなんだ。(エムディエヌコーポレーション刊) 」の著者。 論理的で客観的なデザイン理論とユーザー視点の構造設計・情報デザインを用いて、Webサイトの課題を見極め、Webサイトの性能をアップさせる利用者の目線に立ったわかりやすいインタフェースの設計で多くの企業様のお手伝いをしてきました!

TOP