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明らかに劣る第3の選択肢を追加することで、
売りたい商品を魅力的に見せる。
選択肢が2つの場合、安価な方を選択しやすい場合やどちらを選ぶか迷うような場合、おすすめする高価な選択肢Aよりも見劣りする第3の選択肢「C」を追加提示することで、安価な選択肢「B」よりも「A」を選ぶようになるという、利用者の意志決定に変化をもたらす心理効果。
行動経済学では、吸引効果、非対称優性効果、対照的支配とも言う。
人は、常に損をしたくないという心理が働くため、ある選択肢に対しての評価を絶対的に考えるのではなく、周りにある他の条件によって影響される相対的なものとして判断するために起きる。
ちなみに、おとり効果は、利益を上げるための方法として効果的だが、サービス品質において、ユーザーに対して最適な価値と価格を提供できているかという点で、ダークな面を生み出しかねない側面もあるため注意が必要だ。

表現可能なデザインパーツ
具体例
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安価な新型モデルを選択しやすいように、性能は劣り高価な旧型モデルを比較商品として載せる
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通常版と廉価版の組み合わせでは廉価版の方が売れてしまうので、プレミアム版を用意して通常版のお得感を高める
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オプションなどの組み合わせを変えたおトクなプランと高価な単体プランのサービスラインナップ
提唱者・発祥エピソード
行動経済学や意思決定論の第一人者であるダン・アリエリー博士は、ベストセラー「予想通りに不合理」で紹介した、アメリカの雑誌「エコノミスト」の講読プラン広告画面を使って、マサチューセッツ工科大学の学生100名に対して、どの選択を選ぶか?という2009年の実験によりおとり効果を証明した。
この実験による成果として、
A. オンライン購読 59ドル(68%)
B. 雑誌の定期購読 125ドル(32%)
という、二択の場合の利益が8,012ドルに対して、
A. オンライン購読 59ドル(16%)
B. 雑誌の定期購読 125ドル(0%)
C. オンライン購読&雑誌の定期購読 125ドル(84%)
という三択にした場合、利益が11,444ドルになり、掲示額を変えずに、おとりの選択肢をひとつ増やしただけで、3000ドル以上の追加利益をもたらした。
参考文献・参考サイト
おとり効果|経済行動の心理学
かんでんCSフォーラム
https://www.kcsf.co.jp/marketing/decoy-effect.html
おとり効果
UX TIMES
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/decoy-effect/
おとり効果とは?ユーザーがつい買ってしまう消費者心理を事例・具体例から解説
DESIGN α
https://designalpha.jp/knowledge/marketing/decoyeffect/
知っていると役立つ行動経済学 – おとり効果
note
https://note.com/mimizunomizuno/n/n4320dd178edc
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