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2つの情報を対比させることで、
目立つ方の情報がより魅力的に感じる。
同じ空間や同じ時間軸で認識された連続する2つ以上のモノゴトや情報を認識する際、最初に感じた刺激との差異を感じると、実際の差よりも大きな差として感じてしまう心理的な現象で、比較によって引き起こされる脳の錯覚の一種である。
人間の脳はモノゴトを客観的に捉えることが苦手で、二つ以上のモノゴトと相対的に比較することで、はじめてそのモノゴトの性質を評価できる。これは物理的なモノゴトに限らず、言葉や文章のような概念的なものからでも影響を受ける。
経済行動学には、基準となる情報(参照点)と相対的に比較することで、対象物の価値を測る「参照点依存性」という考え方があり、参照点が変わることで価値判断も変わることを利用して、セールスや広報に応用できる。
コントラスト効果には大きく分けて次の2種類がある。
■知覚のコントラスト
・視覚:補色(色相環で180度の対局にある色)の関係にある背景とテキストは、文字情報が際立って見える
・聴覚:うるさい環境で聞きやすい音量は、静かな環境では大きな音に聞こえる
・触覚:重たい荷物を持った後に軽い荷物を持つと、実際の重さより軽く感じる
・味覚:スイカは、塩を振ってから食べるとより甘く感じる
・臭覚:無臭な環境では、芳香剤や香水の匂いを強く感じる
■情報認知のコントラスト
・更生して高い社会的地位に就いた人物は、一般的な例よりも高く評価される
・邪悪で卑劣な悪役が相手であるほど主人公の正義のヒーローとしての印象が高まる
・厳しい父と優しい母では、母親は一層やさしく感じる
ちなみに、対比効果をより発揮するためには、対象者にとって悪い方の情報を先に出した後に、良い条件の情報を提示することで交渉ごとをうまく進めやすい。順番を間違えてしまうと、逆の印象を持たれてしまう。
表現可能なデザインパーツ
具体例
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暑い夏の日に20度は肌寒い日と感じるが、冬のさなかの20度はポカポカ陽気で暖かく感じる
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3,000円の商品単体では安いと思わないが、10,000円の商品と一緒に置くと安いと感じる
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同じような配色がならんだデザインの中で、違う配色のものがあると特に目に付く
例えば、もっとも目立たせたいセールスポイントやCTA(コールトゥーアクション)ボタンを、他の要素と対比させて一番目立たせることで、ユーザーの認知を引き出しクリックを促すことが可能になる。
提唱者・発祥エピソード
ドイツのマンハイム大学の心理学者フリッツ・ストラック博士による「人間は他人の不幸を喜ぶのか」をテーマにした実験によって、「相手の不幸を確認することで、相対的に自分の幸福を再確認できる」ということがわかり、まさにコントラスト効果が働いたことが示された。
参考文献・参考サイト
コントラスト効果(対比効果)
プロの心理学
https://pro-shinri.com/contrast-effect/
コントラスト効果
UX TIMES
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/contrast-effect/
「コントラスト効果」の意味をスッキリ理解!
スッキリ
https://gimon-sukkiri.jp/contrast-2/#i
【神はギャップに宿る】コントラスト効果とは?2つ以上の選択肢で魅力を引き出す方法
社会人の教養
https://asu-yoku-laboratory.com/contrast-effect
【コントラスト効果】恋愛やマーケティングに効くギャップの心理学
Web活用術。
https://swingroot.com/contrast-effect/
コントラスト効果【contrast effect】
コトバンク
https://kotobank.jp/word/コントラスト効果
「コントラスト効果(対比効果)」の意味や語源とは?恋愛やマーケティングで使う方法も解説
副業が当たり前の時代
https://web-box.co.jp/crowdsourcing/psychologys-contrast-effect/